2017年度全日本大学選手権大会

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2017年度全日本大学選手権大会

2017.12.03 更新

本学女子、9年ぶり5度目の学生日本一

2017年度全日本大学選手権大会

最優秀選手賞に比金みなみ主将

本学女子、9年ぶり5度目の学生日本一に輝く

やったぞ! 本学女子が大学女王になったぞ! スーパーカレッジ2017男子70回、女子64回全日本バレーボール大学選手権大会最終日は12月3日、東京・大田区総合体育館で、男女の3位決定戦と決勝戦を行いました。女子決勝戦は本学と筑波大との間で行われ、本学がフルセット末、逆転勝ちで9年ぶり5度目の大学日本一を獲得。男子は早稲田大が筑波大を3-0で下し、4年ぶり5度目の栄冠に輝きました。個人表彰では最優秀選手賞に比金みなみ主将④、レシーブ賞に坪川夏音④が選ばれ、秋山美幸監督は優勝監督賞を受賞しました。大会は全国9ブロックから男女各64校が参加して11月28日開幕、都内5会場で熱戦を展開してきました。

坪川、MIP賞とレシーブ賞ダブル受賞

[女子]▽決勝戦(12月3日・大田区総合体育館)

本学3(14-25、25-22,16-25、25-21、15-12)2筑波大(関東1部3位)

スタメン=レフト兼若真由④-坪川夏音④、ミドル奥山奈映④-及川真夢③、ライト宮下聖果②、セッター比金みなみ主将④、リベロ若松佳奈美④。

感動、感激、涙腺が緩む−。初めて見る母校の大学日本一、メモを取るペンが震え、文字が躍っています。マッチポイントを宮下が決めた瞬間は忘れることはありません。

抱き合い、笑顔と涙がないまぜになったコートの選手。一気に飛び出すはずのベンチの選手には戸惑いも。采配1年目の秋山美幸監督は現役時代に2連覇を達成していますが指導者としての頂点は格別なものがあるのでしょう、目頭をそっと拭い、喜びを噛み締めているようです。指揮官として過去4度この栄光に導き、50年を一区切りにバトンタッチした生瀬良造前監督は嬉しさを押させきれない様子。大学クイーン初体験の平澤典男部長先生は、何事にも沈着冷静なのに、この時ばかりははしゃいで見えます。

最も印象に残った選手に与えられるMIP賞を坪川が受賞して、選手たちがベンチへ戻ってくると胴上げです。「生瀬さんを胴上げする」高木晴香主務④が口にしていたことが現実に。真っ先に生瀬前監督、平澤部長、秋山監督、比金主将、坪川が歓喜とともに宙に舞いました。

〽我が母校青山! 表彰式後、大きなグリーンの輪から響くカレッジソングは、誇らし気でした。

番狂わせに思える試合展開

  4年生のキャリアと下級生の頑張りに加えて的確なベンチワークで勝ち取った優勝は、スタンドから見ると“番狂わせ”に思える試合展開でした。

第1セット、得点14と圧倒的に打ちのめされ、「ボロボロだったから、こりゃダメだ、と思った」と応援の本田和彦さん(緑楯会幹事)。ベンチの生瀬前監督さえも「ダメかも…」東日本インカレ決勝戦(0-3筑波大)が過ぎったのでしょうか。

しかし、選手たちには、秋季リーグ戦でストレート勝ちした思いが支えだったのか、少しもひるみません。第2セット、青学らしさを発揮します。それは、“拾って繋いで勝機を待つ”。執拗なブロックと連動した守り、セッターの機を見て敏なトスワーク。スパイクはココという時以外は思いっきり打たず、相手ブロックを最大限利用するのです。チーム全員がこの気持ちをもって、粘り強く戦うことで勝機をつかみ取ったのが、この2セット目。12−14から2枚替え、比金→山野辺輝④、宮下→野嶋華澄②で勝負に出ます。強打で15点目を取られますが、坪川のサーブで筑波を崩すと、サービスエースを挟んで及川真のスパイク、連続ブロックなどで5連続点をマークして17−15と逆転して流れは青学。20−20で兼若を立石優華&#9313に代えて守備固めをすると相手のスパイクミスと奥山のサーブポイントで22−20。後は奥山、坪川、奥山と決めてセットオールとしました。

179㎝と178㎝、高さとパワーのサイドエースを持つ筑波に対し、166㎝(坪川)と170㎝(兼若)の本学。決定力の差は歴然としていますが、バレーボールは打ち合いだけでは決まりません。第1セット同様に第3セット、サーブで崩された本学は第4セットで再びよみがえります。「ボールを自分のコートに落とさず、相手コートの空いているところへ落とせばいいのよ。強く打つても、ゆるく落としても1点は1点」(白井貴子さん=1976年モントリオール五輪金メダリスト)。この言葉を絵にかいたような攻防。叩きつける筑波のエース。兼若、坪川の巧打、軟打。その間隙を縫って、宮下、奥山、及川真が時に鋭く、時に軟攻で相手守備を崩します。3連続点を2回続け7−3で始まったこのセット。攻守が逆転したかのように本学は常にリードします。14−12から例の2枚替え、守備固めで18−16と2点リードを保って終盤へ。比金の苦心のトス回しに応えるように宮下、奥山、兼若が得点を重ね22-20と追い込むと、浮足立った相手エースが連続スパイクミスして勝負あり。セットポイントは坪川が巧みにブロックアウトを取ってフルセットへ持ち込みました。

流れを引き継ぐように最終セットは本学のリズム。及川真のブロックを挟んで宮下、兼若の巧打などで5-2。読みの良い及川真がまたブロックを決めて6-3になると、ベンチは早くも2枚替え。サーブカットの崩れから9-8と追い上げられますが、ここで相手にセッターのドリブルとスパイクミスが続き11-8。ここが勝敗の分かれ目となりました。12-10で宮下がスパイクを大きく外して1点差となりましたが、その宮下がミスを挽回する強打を決め、兼若が巧みに攻めて14-11、マッチポイントを握ります。比金主将の気持ちは、青学のこれからをサウスポーの宮下に託したいのでしょう。優勝ポイントのトスは宮下へ。が、力が入りすぎたか、スパイクアウト。14-12。トスはやっぱり宮下へあがります。大学日本一を祈る応援席、ベンチ、部員全員の思いを込めてライトからのスパイクが決まりました。その時、12月3日午後3時37分。「やったー!」「勝ったぞー!」「4年生、ありがとう!」こみあげてくるものがありました。

正に執念の勝利でした。今季掲げた目標は「生瀬さんを胴上げしよう!」。しかし、春季リーグ戦は3位、東日本インカレではあと一歩まで行きながら筑波大に完敗。今度こそ!の秋季リーグ戦はやっとの思いで4位。後がなくなって今年度最終戦、全日本インカレを迎えたのです。「ここで負けたら…。絶対勝とうね」気持ちは一つ。コートも、ベンチも、スタンドも。直向きな女子学生の願いを女神は見放しませんでした。コートで宙に舞う生瀬前監督、支え挙げる教え子の目には涙、やり残した宿題をやり遂げた達成感がありました。

今大会の個人賞にも本学と筑波大の戦力の差が見て取れます。レシーブ賞だけの本学に対して、筑波はアタック、ブロック、サーブ、セッター、リベロとほぼ総なめ。それだけに、この優勝は意義があります。“バレーボールはチームゲーム”、”高さもパワーも有るに越したことはないが、チーム一丸で粘っこく拾って繋ぐことが大事“、高校生、中学生、小学生はもちろん、大学生にも教えるものがあったのでは。(文責・奥本浩平)

(以上、写真はいずれも女子バレーボール部提供

(写真は加藤真美さん=緑楯会女子部会監事=提供)

4年生のフォローのお陰です

秋山美幸監督「4年生の多いチームで、その思いや意地を日ごろから見せることで、下級生を引き上げてくれました。今大会に入ってからも苦しい時にも助け合いながらフォローしてくれたことが、こういう結果につながったと思います」(日本バレーボール協会ホームページから)

全部出し切って優勝できた

比金みなみ主将「どの試合も厳しい戦いでしたが、試合を重ねるごとに全員が成長していった大会だと思います。日ごろから、今までやってきたことを全部出し切ろうという言葉を掛け合ってきました。それが、最後しっかり出し切れて、優勝することが出来て本当に良かったです」(日本バレーボール協会ホームページから)

▽3位決定戦

嘉悦大3(25-20、25-21、25-17)0鹿屋体育大

[男子]▽決勝戦

早稲田大3(25-20、25-21、25-18)0筑波大

▽3位決定戦

中央大3(25-22、25-17、25-22)0東海大

 

                                                                                                       総勢36名で賑やかに祝勝会 

祝勝会は、OB・OG会緑楯会女子部会の粋なはからいで急きょ持たれました。会場は京急蒲田駅近くの中華料理店、午後7時半スタート。平澤部長先生、生瀬前監督、秋山監督、スタッフ、部員、OG4名にOBの辻裕之さん(緑楯会前代表幹事)も駆けつけ、総勢36名のにぎやかな宴となりました。冒頭、「個人賞が坪川さん(レシーブ賞)一人ということは、全員バレーの勝利ということで素晴らしい」と平澤部長のお祝いのあいさつ。生瀬前監督にとっては5度目の日本一ですが、「この優勝は、全員で本当によく頑張って皆で勝ち取った」と乾杯の音頭にも、ひとしおの喜びが込められていました。生憎、スタンドで応援のOBがそろって欠席となったことから、声がかかったのは辻裕之さん。「みんな本当にすばらしい。お祝いしたくて(赤坂から)駆け付けた」と言って選手たちを喜ばせました。

MVPの比金主将、レシーブ賞とMIP賞をダブル受賞の坪川、優勝監督賞の秋山監督の3名は記者会見のため遅れての参加となりましたが、秋山監督は「選手みんなの力で優勝できて本当にうれしいです。(OGの)みなさんに支えられていることを感じ、また生瀬さんが隣に居ることで安心感があって、ここまでやってこれました」と感謝の言葉を忘れませんでした。

4年生を中心に一丸で勝ち取った9年ぶりの日本一。生瀬前監督が「4年生は卒業してからも今までの経験を生かして頑張ってほしい」とりわけ4年生を労って、午後9時半散会。選手たちは誰も輝いた笑顔がとてもステキで、一回り大きくなったように感じました。(加藤真美OB・OG会緑楯会女子部会監事)

 

                                                                             優勝したらどうしよう、祝勝会が大変だ

▽準決勝戦(12月2日・大田区体育館総合体育館)

本学3(25-20、25-21、25-23)0嘉悦大(関東1部2位)

スタメン=準々決勝と同じ

秋季リーグ戦では1-3で負けている相手だけに、多少の不安はありました。しかし第1セット、いきなり8-0。後半の追い上げはあったものの、危なげなく先取しました。第2セットはミス合戦、本学7に対して嘉悦11(筆者のメモ)。ミスが多い方が勝つことはありません。ゲームらしいゲームは第3セット。15-12で比金→目黒安希①(郡山短大附高出)、宮下→山野辺④、2枚替えで流れを掴みます。目黒の巧打、坪川の軟攻などで21-16。相手エースに打たれて22-19と3点差に詰められますが、相手ミスで23点、ラリーを宮下の強打で取ってマッチポイントを握り、及川真がブロックを決めて、決勝進出を決めました。

帰りの道すがら、大庭優香さん(緑楯会女子部会副会長)が「優勝したらどうしよう。祝勝会の段取りが大変なのよ、名簿、案内状などなど」と冗談交じりに心配顔を見せていました。決勝戦での相手、筑波大には秋季リーグ戦では3-0で勝っているだけに、満更でもありませんが。(文責・奥本浩平)

▽準々決勝戦(12月1日・大田区総合体育館)

本学3(25-12、25-20、21-25、25-20)1京都橘大(関西1部2位)

スタメン=3回戦と同じ

▽3回戦(11月30日・大田区総合体育館)

本学3(25-20、25-20、25-13)0松蔭大(関東1部10位)

スタメン=2回戦と同じ

▽2回戦(11月29日・大田区総合体育館)

本学3(25-21、25-17、25-16)0愛知学院大(東海1部2位)

スタメン=1回戦と同じ

▽1回戦(11月28日・大田区総合体育館)

本学3(25-17、25-15、25-22)0京都産業大(関西2部1位)

スタメン=レフト兼若真由④-坪川夏音④、ミドル奥山奈映④-及川真夢③、ライト宮下聖果②、セッター比金みなみ主将④、リベロ若松佳奈美④。

余裕の試合展開。第3セットは兼若→宇治川景③でスタートし、4年生の高木晴香主務をリリーフサーバーで起用する気配りのほか、来年を考え坪川に代えて1年生の吉戸日菜子(岡崎学園高出)にチャンスを与えました。優勝を目指す本学ですが、粘りのあるゲーム運びとセッターの出来がカギと見ました。(文責・奥本浩平)

以上

 

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