第1回AGUコーチーズセッション
2015.03.06 更新
大学スポーツとは、青学らしさとは
第1回AGUコーチズセッション開く
第1回「AGUコーチズセッション」が2015年3月5日夜、青学会館で開催されました。これは例年、体育会OB・OG連合会が開く「部長先生、監督、コーチに感謝する集い」に代わるもので、OB・OG連合会と大学の共催で実現。監督やコーチを対象に、学生スポーツを取り巻かく様々なテーマを取り上げ、講演やパネルディスカッション等を通して、情報や課題の共有を図るものです。この日は、グローリーチャペルに仙波憲一学長はじめ部長先生、監督、コーチ、学生ら約130名が出席して、校友で日本ラグビー協会日本代表GMの岩淵健輔氏(40、国際政治経済学部卒)の講演、「戦う組織」に聞き入りました。
岩淵氏が伝えたかったことは、2019年日本開催のラグビーW杯へ向けての自らの仕事を語りながら、コーチのし方ではなくコーチの本質でした。以下、筆者の独断と偏見で勝手に纏めてみました。
①大學スポーツとは
部活動は社会へ出て行く一過程。だからこそ、選手一人一人にしっかりした理念を植え付けることが必要だ。スポーツの価値とは、青学でスポーツをする意義は、文武両道とは…問い質すことで、バックボーンができる。それによって“やらされる練習”から“やる練習”へ変わってくる。
②チームづくりは文化の創造
選手の行きたいところへ連れて行くのがコーチの仕事だが、まずその目標を自身がはっきり持ち、選手に徹底させることから始まる。チームの中のルールをつくる(例えば食事時間には携帯電話は御法度など)。選手それぞれの役割を明確にして、意思統一を計る。価値観の共有こそ不可欠で、例えば試合を前にメンバーの中に勝てないと思う選手が一人でもいると、そのチームは勝てない。
③改革のために、勝つために
勝つために必要なものは何か。トレーニングする際、伝統的に受け継がれてきたものがあるが、果たしてそれでよいのか。良し悪しを判断し、ロジックとプラニングをもって、合理的方法を見つけ、時間より質(内容)のトレーニング行う。中でも体力強化は日常欠かしてはならない。また過去からの教訓を生かし、なぜできなかったのか、なぜ勝てなかったのかを徹底追及する。端から諦める“メンタルブロック”を打ち壊すことから全ては始まる。
④青学らしさ
青学らしい、を好としない人が多い。が、箱根駅伝の優勝インタビューは、皆それぞれが違うことをはっきり言い、監督は青学らしくて良いと言った。良い悪いはそれぞれの考えだが、駅伝チームはこれがチームの文化、要はロイヤリティーをどう持つかということだ。
バレーボール部からは平澤典男部長先生、男子部の小早川啓監督、三枝琢也主務、女子部の生瀬良造監督、OB・OG会緑楯会の奥本浩平会長が出席し、熱心に聞き入りました。質疑もあって正味1時間の講演は内容十分で意義深く、この企画、第2回、3回と期待が膨らみました。その後、7時半から会場をサフランに移し、約1時間半、和やかに懇親会を開きました。
文責・奥本浩平
◇岩淵健輔(いわぶち・けんすけ)略歴◇
▽1975年 東京生まれ。
青山学院初等部、中等部、高等部、大学一貫してラグビー部に所属
▽1998年 国際政治経済学部卒、神戸製鋼入社
英国ケンブリッジ大学留学
▽1999年 対オックスフォード大定期戦に出場、ブルーの称号得る
W杯日本代表
▽2000年 ケンブリッジ大学社会政治学部修士課程修了
英国プレミアシップ「サラゼン」入団、日本人初プレミア出場
▽2006年 フランスの「USコロミエ」移籍
▽2007年 「セコムラガッツ」選手兼コーチ就任
▽2008年 7人制ラグビー日本代表選手兼コーチ就任
▽2012年 日本ラグビーフットボール協会日本代表ジェネラルマネジャー就任
著書「世界で勝たなければ意味がない」日本ラグビー再燃へのシナリオ(NHK出版新書、740円+税)
以上