OG花澤佳奈さん、ポルトガルへ
2024.08.15 更新
OG花澤さん、世界旅するセッター
ペルーの次はポルトガルへ
本学OGの花澤佳奈さん(2022年卒、セッター)はこのほどNECレッドロケッツ川崎を退団して、9月から欧州のポルトガルでプレーします。花澤さんは、卒業後は海外でのプレーを希望し、Vリーグには進まず、南米のペルーでコートに立ちました。2023年に帰国してNECレッドロケッツに入団したものの、海外への思いを捨てきれず、1シーズン限りでVリーグを離れ、再び海外へ飛び出す決意をしました。今度はポルトガル。「目標は欧州選手権に出場することです。将来的には海外に移籍を希望する選手の橋渡し、エージェントの仕事もしていきたい」と夢を語ります。高校、大学で実績を積み、Vリーグのチームに入団して、切磋琢磨しながら日本代表を目指すというのが有望選手のオーソドックスな流れだと思いますが、花澤さんは一社会人として海外で活躍することを目標に「海外に就職する」最適解としてバレーボールを選択したのです。「バレーボールが好きだし、その能力がある」「その力を生かして海外へ行けばいいのではないか」「海外で活躍した」アスリートとしては異
色かもしれませんが、人生のキャリアプランとしてはロジカルでもあります。「旅するバレーボーラー」花澤さん。NECを退団したのは6月。9月までの3か月間、埼玉上尾メディックスへ短期移籍してV・サマーリーグに参戦しました。花澤佳奈さんの生き様をバレーボールマガジンの堀江丈記者が聞きました。
パスのフォームで「ハイ! ポーズ」の花澤佳奈さん(堀江丈記者撮影)
まずは欧州選手権に出場したいです
将来の夢は国内選手の海外橋渡し役
―NECレッドロケッツ川崎を退団。その後、海外移籍までの期間限定で埼玉上尾メディックスでプレーをすることになりました。こういうショットでの契約は女子のVリーガーではあまり例のないパターンですね。
花澤:レッドロケッツを退団して(海外移籍までの期間をどう過ごすか)GMの中西さん(中西了将氏)とお話をしていました。 その中で、サマーリーグなら試合に出ることができるかもということになり、中西さんからも「挑戦してみれば?」と後押しをしていただいたんです。NECはもう3人セッターがいるので難しかったのですが、今季は各チームともセッターが動いているのでどこかにチャンスがあるのではないかな、と。 その状況を考えたときに、青学で同期の山中(宏予)がいたり、先輩の目黒(安希)さんがいる埼玉上尾メディックスでまた一緒にやりたいなって思って。そこで上手く話がまとまった形ですね。
―なるほど。メディックスは正セッターの岩崎こよみ選手がオリンピックに参加していますし、サマーリーグに出場できるセッターは鎌田咲希選手だけでしたので、メディックスの方から声がかかったのかなとも思っていたのですけれども。むしろ自分でプレーする場所を探しに行った結果だったのですね。
花澤:そうです、そうです。
―その積極性は花澤選手らしいというか、さすがですね。
花澤:海外に行くことが決まっている中、自分がサマーリーグに出場できるなんて考えてもいなかったですし、渡欧まではゆっくり過ごそうかなって思っていたんです。 でも、もしプレーできるならとダメもとでアタックしました。9月には海外に行くという条件だったのにメディックスに受け入れてもらって…自分でもびっくりしました。
―具体的な移籍先は?
花澤:ポルトガルのクラブカイロスというチームです。昨シーズンは9位でしたが、リーグでは何回も優勝をしているチームです。
―短期間でメディックスに馴染んで、なおかつ求められる役割を果たすのはなかなか大変なことなのでは?
花澤:自分はもともと海外志望なので。海外って結構毎年チームが変わるというか、メンバーが入れ替わって短期間で(チームを)作るところがあるんです。 今度移籍するクラブカイロスもそんなチームです。メディックスでの経験はそういったことに対する心構えにもなりますし、学生時代から知っているメンバーも多くいますので、すぐに馴染めました。メディックスには感謝しています。
―入団して感じたメディックスのチームカラーは?
花澤:プレーに対して比較的自由度が高い印象ですね。その中でやったことに対して肯定から入ってくれます。ミスした時でもまずトライを褒めてくれますし。
―大久保茂和監督の指導方針でもありますね。
花澤:もちろんアスリートですので厳しく言われる部分もあります。ただ、思ったことにトライしてみていいよという雰囲気があって、そこから時には突拍子もないプレーが出たり、自分が思ってもみなかったやり方を見つけることもできてすごく面白いなと感じています。 レッドロケッツもメディックスも選手個々の技術力が高いチームですが、レッドロケッツがプレーの熱量と高さで勝負するチームなら、メディックスは相手を利用するというか、相手の嫌なところを突くというか、そういう感じでしょうか。ボールを相手コートに返すことも攻撃の一つとしてやっているなと感じました。 スパ
イカーの決め方や要求するボールもレッドロケッツとメディックスではまた違いますね。自分も要求に応えられるように頑張っています。
―以前、将来は選手の海外移籍の橋渡し、エージェントの仕事も目指している、と聞きました。
花澤:はい、その気持ちは変わらずに持ち続けています。
―選手としての海外挑戦にはどういうテーマを持って臨みたいですか?
花澤:ヨーロッパ選手権に出たいんです。ポルトガルに決めたのも、そこが理由の一つなんです。国の1位になったら欧州選手権に参加できる。ですので、まずはそこを目指しています。 ヨーロッパリーグの中で知られる存在になりたいですし、自分の結果もチームとしての結果もしっかり求めて行きたいです。気合いを入れて臨みます。
―応援してくれるファンに向けて。
花澤:一つのところに定住しない自分ですが(笑)、いつも応援してくださって本当にありがとうございます。いろいろな場所でプレ-する花澤佳奈の姿を楽しんでいただけたら嬉しいです。これからも頑張ります。
◇花澤佳奈(はなざわ・かんな)セッター、身長168㌢、最高到達点280㌢。2018年、東京・文京学院大 女子高から青山学院大経済学部へスポーツ推薦入学。
なお、詳細はバレーボールマガジン・ホームページhttp//vbm.linkへ。
以上